FAQ(獣医師向け)
FAQ よくあるご質問とご回答
A 基本的な質問
A-1.リポタンパク質って何ですか?
コレステロールのような水に不溶な脂質は、血液中ではタンパク質と複合体粒子を形成しており、吸収・合成部位から使用部位へと運搬されています。この粒子がリポタンパク質です。
粒子の大きさ、比重の違いにより、CM(Chylomicron)、VLDL(Very Low Density Lipoprotein)、LDL(Low Density Lipoprotein)、HDL(High Density Lipoprotein) の4分画に区分されています。
A-2.リポタンパク質を分画に分けて測定する意義は何ですか?
リポタンパク質は種類によって役割が異なります。リポタンパク質の種類を調べることで、いままで気付かなかった病気の早期発見に役立ちます。また、外見や体重の変化だけでは把握しきれなかったダイエットや治療の効果を、把握することに役立ちます。
A-3.どんな動物で測定が可能ですか?
動物種を問わず測定可能です。
イヌ、ネコをはじめ、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、サル、トリなど様々な測定実績があります。
B 測定に関する質問
B-1.どんなサンプルが測定出来ますか?
血清サンプルをおすすめしております。やむをえず血漿サンプルで測定をご希望される場合、抗凝固剤としてEDTAを用いてください。
B-2.サンプルの最少量はどのくらいですか?
50マイクロリットル(0.05ml)あれば測定可能です。
B-3.サンプルの送付はどうすればよいですか?
スペクトラム ラボ ジャパン 株式会社へ送付用キット一式をご請求ください。
検査依頼書をご記入後、原本をサンプルと同封の上、お送りください。写しを病院用控えとして保管ください。
その際に、ヤマト宅急便の伝票を貼付している送付用封筒をご利用いただき、必ず冷蔵にて発送ください。
B-4.他の測定手法との相関性はありますか?
脂質の精密解析で古くから用いられている超遠心法との相関を確認済みで、学会発表しております。
また、動物用自動分析機器との相関も確認しております。
B-5.凍結しているサンプルの測定はできますか?
凍結融解の繰り返しは測定値に影響します。目安として高TGのサンプルで1回が限度、その他のサンプルで1~2回が限度になります。凍結の管理がしっかりしていれば長期の凍結でも問題ありません。
C サービスに関する質問
C-1.検査結果はどのくらいの期間で出ますか?
通常、サンプルがスペクトラム ラボ ジャパン 株式会社へ到着してから速報データをお返しするまでおよそ7営業日、紙ベースでおよそ10営業日でデータをお返ししています。
C-2.何日ぐらいサンプルは保存できますか?
血清・EDTA血漿の場合、4℃で保存した場合は採血から1週間以内が目安です。
C-3.サンプルの返却はしてもらえますか?
サンプルの返却はしておりませんので予めご了承下さい。
C-4.貴重な症例の測定ができたので、学会発表してもよいでしょうか?
はい、構いません。事前にどの学会にどのようなデータをご発表されるかお伝え頂けますと幸いです。また、LipoTESTによる測定である旨をMethodに記載して頂けますようお願い申し上げます。測定原理や参考文献などの情報はご用意してお渡しすることが可能です。
D 測定結果に関する質問
D-1.基準値、参考値はどのように決めたのですか?
イヌの場合は、日本獣医生命科学大学や動物病院の協力のもと、健常100例以上を解析し、一般的な統計処理によって標準の範囲を決めました。
ネコの場合も同様ですが、こちらは健常例の解析が40例ほどですので、参考値という形とさせていただいております。現在も母集団を増やすべく追加測定を継続しております。
D-2.院内検査の総コレステロール、中性脂肪測定値と数値が違いますが?
測定手法が異なると、測定値も多少変わります。
LipoTESTの標準値を設定しておりますので、その範囲もご参照くださいませ。
D-3.他の測定系と比較してTGの値が低く、値がおかしいと思うのですが、何故ですか?
脂質マーカーの測定においては、遊離グリセロールを(FG)を含める系か、含めない系かで数値がばらつくことがあるようです。一般的な酵素法による測定系ではFGを含んで測定しているので高い結果が出る傾向にあります。
LipoTEST測定系では、FGが別途分画され測定範囲には含まれていないため、未消去の測定方法よりは値が低くなる場合がありますが、正確にリポタンパク質各分画の濃度を測定できています。